この記事ではSamsungの最新のハイエンドスマートフォン「Galaxy S22 Ultra」のレビューをお伝えします。
筆者がGalaxy S22 Ultraを実際に使用して感じたメリット・デメリットや旧モデルのGalaxy S21 Ultra 5Gとの違いについても検証しました。
Galaxy S22 Ultraの特徴を簡単に紹介すると・・・
- ナイトグラフィーや最大100倍ズームが強化されたカメラ
- SペンやCPUなどGalaxyの最先端技術を体験できる
- 約2年ぶりのSペン内蔵スマートフォン
Galaxy S22 Ultraの詳しい性能・特長は以下の記事にまとめているので、ご確認ください。
Galaxy S22 Ultraのデザインをレビュー
Galaxy S22 Ultra | Galaxy S21 Ultra | |
---|---|---|
重量 | 229g | 228g |
縦 | 163 | 165 |
横 | 78 | 76 |
厚さ | 8.9 | 8.9 |
カラー | バーガンディ ファントム ブラック | ファントムシルバー ファントムブラック |
Galaxy S22 UltraはGalaxy Sシリーズの3モデル「Galaxy S22」「Galaxy S22+」「Galaxy S22 Ultra」の最上位モデルです。
Galaxy S22 UltraはSペン搭載し、旧モデルGalaxy S21 Ultraの後継機というよりは実質Galaxy Note20 Ultraの後継機と言えそうです。
Galaxy S22 Ultraのカラーはバーガンディ、ファントム ブラックの2色展開でいずれのカラーもdocomo、auから発売します。
今回レビューしているカラーはファントム ブラックです。
背面から見て右側面には何もありません。
左側面は上から音量ボタン、電源ボタンです。
上部側面にはマイクがあります。
下部側面には左からSIMスロット、マイク、USB-Cコネクター、Sペンスロット、スピーカーが配置されており、Galaxy S22と逆です。
画像では側面にフィルムが貼られているのも良くわかりますね。
SIMスロットはSIMピンを利用して開閉するタイプで、microSDなどの外部ストレージには非対応です。
Galaxy S22 Ultraの本体は防水・防塵(IPX5/IPX8・IP6X)にも対応し、急な雨や水まわりでも安心ですが、Sペン未挿入時も本体の防水・防塵性能が保たれるのか不明です。
Sペンも防水仕様となっているので安心できます。
Galaxy S22 UltraはFeliCa(おサイフケータイ)にも対応しています。
また、旧モデルのGalaxy S21 Ultraとくらべて、Galaxy S22 Ultraのカメラ部分は出っ張っているため、ポケットなどに入れるとレンズ周りにホコリが溜まりやすいです。
Galaxy S22 Ultraのディスプレイをレビュー
Galaxy S22 Ultra | Galaxy S21 Ultra | |
---|---|---|
画面サイズ | 6.8インチ | 6.8インチ |
パネル | 有機EL (エッジ) | 有機EL (エッジ) |
解像度 | Quad HD+ | Quad HD+ |
リフレッシュレート | 1~120Hz | 10~120Hz |
最大輝度 | 1750nit | 1500nit |
Galaxy S22 UltraのディスプレイはGalaxy S21 Ultraと同じ6.8インチのDynamic AMOLED(有機EL)ディスプレイを採用しています。
Galaxy S22 Ultraのディスプレイの輝度は最大1750nitに達し、炎天下ではGalaxy S21 Ultraより見やすいディスプレイとなっています。
Galaxy S22の解像度はQuad HD+ですが、設定でFHD+やHD+に変更できます。
リフレッシュレートは1~120Hzの可変式でゲームなどを快適にプレイできるだけでなく、省電力にも貢献します。
Galaxy S22 Ultraの基本性能をレビュー
Galaxy S22 Ultra | Galaxy S21 Ultra | |
---|---|---|
SoC | Snapdragon 8 Gen 1 | Snapdragon 888 |
メモリ | 12GB | 12GB |
ストレージ | 256GB | 256GB |
microSD | × | × |
eSIM | × | × |
Galaxy S22 UltraのSoCには現時点で最高峰のSnapdragon 8 Gen 1を搭載。
ただ、ゲーム最適化サービス(Game Optimizing Service,GOS)の影響かは定かではありませんが、ゲーム(プロスA)をプレイすると動作がワンテンポ遅い(カクつくほどではない)ことや表示の乱れが見られます。
カメラアプリやその他アプリが落ちてしまうこともあるため、Galaxy S21 Ultraの方が現時点では安定している印象です。
参考までにGalaxy S22 UltraとGalaxy S21 Ultra 5Gの各種ベンチマークを測定してみました。
Galaxy S22 Ultra | Galaxy S21 Ultra 5G | |
---|---|---|
AnTuTu | 931681 | 797069 |
Geekbench 5 (シングル/マルチ) | 1190 3333 | 1120 3373 |
PCMark | 13846 | 14714 |
Galaxy S22 UltraのGeekbench 5(マルチ)やPCMarkのスコアがGalaxy S21 Ultra 5Gより低いことには驚きました。
Galaxy S22 UltraのSペンをレビュー
Galaxy S22 Ultraの魅力はなんといってもSペンでしょう。
Sペンを持ちながら手を動かすと簡単な操作、Sペンのボタンを押すとカメラのメイン/サブの切り替えや音量調節など様々な操作が可能です。
カメラ使用時に遠隔シャッター機能を使えば手ブレもせず、集合写真も簡単に撮れます。
高機能なGalaxy Notesも見逃せません。
画像のようにペンを選べるだけでなく、ペンの種類・太さも自由に変えられます。
S Penで書いた文字を瞬時にテキストに自動変換してくれる機能も非常に便利です。
手書きの傾きも修正して整理もできるので、メモ書きや議事録などシーンに合わせて使い分けができます。
画面オフの状態でSペンを取り出すだけでメモが起動するので、思いついたアイデアなどを忘れる前に書き留めておけます。
Galaxy Notesは写真やPDFにも書き込めるので、おしゃれを求める場面や仕事の場面でも活躍するはずです。
S Penはクリエーターやデザイナーの方にもオススメできます。
Sペンは筆圧検知に対応しているので、専用ソフト「Clip Studio」を用いればなめらかで表情豊かな絵を描くことができます。
Galaxy S22 Ultraのカメラ性能をレビュー
Galaxy S22 Ultra | Galaxy S21 Ultra | |
---|---|---|
メイン | 1億800万画素 | 1億800万画素 |
超広角 | 1,200万画素 | 1,200万画素 |
望遠1 | 1,000万画素 | 1,000万画素 |
望遠2 | 1,000万画素 | 1,000万画素 |
ズーム倍率 (背面) | 0.6~100倍 | 0.6~100倍 |
インカメラ | 4,000万画素 | 4,000万画素 |
Galaxy S22 Ultraのカメラは広角+超広角+望遠1+望遠2の4つのカメラを搭載し、基本的にGalaxy S21 Ultraと同じ構成です。
シーンに合わせて自動で最適なカメラが選択されるだけでなく、AI処理機能により、シャッターボタンを押すだけで美しい写真が撮影できます。
集合写真なども最大1億800万画素の高精細カメラで撮れば、後から一人一人の顔を拡大しても鮮明なまま思い出をもっと美しく残せます。
望遠カメラは光学10倍まで対応していているため、10倍までズームをしても画質をほぼ維持した状態で撮影できます。
画素を結合させてより光を取り込むことができるノナビニングテクノロジーにより、夜間撮影などの低照度環境下でも驚くほど鮮明で繊細な写真が撮影できます。
最大100倍のスペースズームに対応
Galaxy S22 Ultraは最大100倍の高性能ズームに対応し、遠く離れた月の模様まで捉えます。
手軽に持ち運べる望遠鏡さながらの高倍率ズームで迫力のある写真を残すことができます。
データを複数合成することで20倍以上のデジタルズームでもさらに綺麗な写真が撮れるようになりました。
六本木ヒルズから東京タワーを撮影した写真を紹介しながらGalaxy S22 UltraとGalaxy S21 Ultraのズーム性能を比較していきます。
0.6倍
Galaxy S22 Ultraは若干彩度が高い写真に仕上がっていますが、見分けるのに苦労するレベルです。
1倍(等倍)
等倍もあまり差はないように感じます。
2倍
2倍もそこまで差はありません。
4倍
4倍でもいまいち差がわかりません。
10倍
10倍ではGalaxy S22 Ultraの方がディテールを残して撮影できています。
20倍
20倍でもGalaxy S22 Ultraの写真がより鮮明に撮れています。
30倍
30倍になるとAIの補正の影響か、Galaxy S22 Ultraは絵のようなベッタリとした写真になっている印象です。
100倍
100倍ではGalaxy S22 Ultraの方が使えそうです。
Galaxy S22 UltraとGalaxy S21 Ultraのズーム性能はそこまでの性能差はないように感じます。
Galaxy S22とGalaxy S21 5Gの方がズームの性能差ははっきりしていました(Galaxy S22のレビュー記事ではGalaxy S22/S21/S20で撮影した東京タワーの写真を掲載しています【準備中】)。
等倍で撮影した他の作例も紹介します。
桜の木ですが、そこまで大きな差はないように感じます。
花壇の花も大きな差はありません。
お菓子箱を撮影しましたが、Galaxy S22 Ultraの方が暗く引き締まった印象をうけます。
また、逆光など条件が悪いとGalaxy S22 Ultraの方が綺麗に撮影できるように感じます。
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進化したポートレート
背景をうまくぼかす機能「ポートレート」が片手でモテるスマートフォンで一眼レフのような表現力を体験できます。
写真やビデオ、セルフィー撮影でも明るくクリアなポートレート撮影が可能で、AI機能の向上で被写体の認識精度もアップし、細かい部分まできれいに表現することができます。
ポートレートモードは被写体から1~1.5mほど離れて撮影します。
ポートレートモードの倍率はGalaxy S22 Ultraが1 or 3倍、Galaxy S21 Ultraが1 or 2 or 3倍のため、Galaxy S21 Ultraの方が使いやすい印象です。
早速作例を見ていきましょう。
初めはGalaxy Harajuku 2階のharajuku cafeで購入した「抹茶小豆マリトッツォ(550円)」です。
マリトッツォと背景の境界を見てみるとGalaxy S22 Ultraの方が若干綺麗に分かれています。
花壇の花はGalaxy S22 Ultraの方が花の中心を綺麗に捉えています。
背景のボケ感はほとんどかわりません。
ナイトグラフィー撮影の強化
ナイトグラフィー撮影(ナイトショット)機能を使えば、暗い場所での明るく鮮やかに撮影できます。
大型センサーを搭載したことやAI技術により光を多く取り込むことが可能になり、ノイズが少ない写真に仕上がります。
ナイトグラフィーモードは手動で選択できますが、AIにおまかせすることもできます。
ナイトグラフィー撮影の作例を紹介します。
Galaxy S21 Ultraの作例はナイトグラフィーモード、通常モードの両モードで撮影してみました。
真っ暗な箱に入ったオブジェクト2種類もナイトグラフィー撮影してみました。
Galaxy S22 UltraとGalaxy S21 Ultraで大きな差がでました。
Galaxy S22 Ultraは真っ暗な場所で撮影しているとは思えないほどノイズが少なく、鮮明に撮影できています。
Galaxy S22 Ultraのカメラ性能はGalaxy S21 Ultra 5Gから若干のアップデートに留まる印象です。
逆光・暗闇など条件が厳しい場面でGalaxy S22 UltraとGalaxy S21 Ultraの差が出やすい傾向にありました。
Galaxy S22 Ultraの電池持ちをレビュー
Galaxy S22 Ultra | Galaxy S21 Ultra | |
---|---|---|
バッテリー容量 | 5,000mAh | 5,000mAh |
急速充電 | 45W | 45W |
急速充電対応規格 | USB-PD | USB-PD |
ワイヤレス充電 | ◯ | ◯ |
リバース ワイヤレス充電 | ◯ | ◯ |
電池持ち (PCMark) | 8時間01分 | 10時間56分 |
先程紹介したPC MARKを用いてGalaxy S22のバッテリー持ちを測定しました。
Galaxy S22 Ultra、Galaxy S21 Ultraの電池容量はともに5,000mAhのため、真っ向勝負ができます😀
テストは輝度・リフレッシュレート最大の状態で行い、電池残量が100%から20%になるまでの時間を他機種と比較しています。
結果、電池持ちはGalaxy S22 Ultraが8時間01分、Galaxy S21 Ultraが10時間56分でした。
そのため、電池持ちはGalaxy S22 Ultra>Galaxy S21 Ultraのという結果になりました。
Galaxy S22 Ultraの電池持ちは非常に良いですが、今後さらに最適化が進めば、電池持ちも向上するかもしれません。
他機種ともバッテリー持ちを比較すると表のようになります。
Galaxy S22 Ultraの生体認証をレビュー
Galaxy S22 Ultra | Galaxy S21 Ultra | |
---|---|---|
顔認証 | 対応 | 対応 |
指紋認証 | 対応 | 対応 |
Galaxy S22 Ultraの生体認証は超音波式の画面内指紋認証と顔認証に対応しています。
Galaxy S22 Ultraの指紋認証の精度・速度は非常に優秀ですが、Galaxy S21 Ultraとの差は感じません。
Galaxy S22 Ultraの顔認証の精度・速度は普通で、こちらもGalaxy S21 Ultraと変わらない印象です。
Galaxy S22 Ultraの顔認証は顔を登録した角度と異なるときや散髪したときに認証失敗することが多々あるため、改善の余地はあるように感じます。
顔認証の精度が高いOPPO製スマートフォンからGalaxy S22 Ultraに乗り換えるとストレスかもしれません。
Galaxy S22 Ultraのレビュー|まとめ
最後にGalaxy S22 Ultraを使ってみて感じた良い点、悪い点をまとめます。
Galaxy S22 Ultraは非常に完成度の高いAndroidスマートフォンと言えます。
Sペン内蔵のGalaxyが欲しいという方には間違いなくオススメできる1台です。
ただ、約18万円という価格を考えると誰にでも薦められるスマートフォンではありません。
旧モデルのGalaxy S21 Ultraを利用している方や世界最高峰の性能を誇るスマートフォンを必要としない方にはGalaxy S22 Ultraは不要だと感じます。
Galaxy S22 Ultraの詳しいスペック・安く買う方法については以下の記事で解説していますのでご覧ください。
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