2025年、ASUSが送り出すフラッグシップスマートフォン「Zenfone 12 Ultra」がついに登場しました。
シリーズ初となる“Ultra”の名を冠した本モデルは、Snapdragon 8 Gen 3 Elite搭載による圧倒的な処理性能、6軸ジンバルを搭載したトリプルカメラ、そして生成AIを活用した多彩なオンデバイス機能など、まさに“全部入り”と呼ぶにふさわしい仕上がり。
この記事では、実機をじっくり触ってわかったZenfone 12 Ultraの魅力と弱点を徹底レビューします。
AI機能・カメラ性能・ゲーミング性能・日本向け機能まで、本機の実力をチェックしていきましょう。
Zenfone 12 Ultraの基本情報と価格

Zenfone 12 Ultraは、シリーズ初の“Ultra”モデルとして登場したASUSの最新フラッグシップ。
高性能SoC「Snapdragon 8 Gen 3 Elite」や144Hz AMOLEDディスプレイ、IP68防水、Qiワイヤレス充電、そして日本向けに「おサイフケータイ」にも対応するなど、国内ユーザーのニーズも徹底的にカバーしています。
カラバリ・メモリ・ストレージのバリエーション

Zenfone 12 Ultraは、3色展開(エボニーブラック/セージグリーン/サクラホワイト)に加え、下記の2構成から選択可能です。
モデル構成 | 型番 | 価格(税込) |
---|---|---|
12GB RAM / 256GB ストレージ | ZF12U-xx12S256 | ¥149,800 |
16GB RAM / 512GB ストレージ | ZF12U-xx16S512 | ¥169,800 |
※カラバリによる価格差はなし。
16GB/512GBモデルは動画編集や長期使用にも向いており、ハイエンド用途ならこちらがオススメです。
実売価格と競合モデルとの比較
同価格帯には、Google Pixel 8 Pro(¥159,800〜)やGalaxy S24 Ultra(¥189,200〜)など強力なライバルがひしめいていますが、Zenfone 12 Ultraはジンバルカメラや豊富なAI機能、3.5mmイヤホンジャック搭載など、独自の価値を持っています。
- ミドルユーザー:12GB/256GB(¥149,800)で十分な満足感
- ヘビーユーザーやクリエイター:16GB/512GB(¥169,800)がベストバイ
国内SIMフリースマホ市場においては、唯一無二のポジションを築く存在と言えるでしょう。
Snapdragon 8 Gen Elite搭載で圧倒的パフォーマンス

Zenfone 12 Ultraには、Qualcommが誇る最上位モバイルSoC「Snapdragon 8 Elite」が搭載されています。従来の「8 Gen 3」と比べても、CPU・GPU・AI処理すべてにおいて強化されたバージョンで、まさに「Elite(精鋭)」の名にふさわしい性能です。
ベンチマークだけじゃない、体感で速い
アプリの起動は一瞬、タブの切り替えもスムーズで、ゲームや動画編集もストレスなし。普段使いでは持て余すほどの性能ですが、複数のAI処理や高画質カメラ制御を同時にこなすシーンでも安定動作が続きます。
さらに、LPDDR5Xメモリ(最大16GB)とUFS 4.0ストレージとの組み合わせで、アプリの読み込みやデータ転送速度も非常に高速です。
Game Genieでゲームも快適そのもの

ゲーマーに嬉しいのが、ASUS独自の「Game Genie」機能。これはプレイ中の着信ブロックやショート動画録画、マクロ操作、リフレッシュレート切り替えなど、多彩なツールを提供するゲーミングアシスタントです。
また、バイパス充電機能により、充電しながらのゲームプレイでもバッテリーへの負荷を避け、発熱を抑えられる点もゲーミングスマホ並みの配慮。
通信性能も抜かりなし:Wi-Fi 7対応
Zenfone 12 Ultraは次世代通信規格「Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)」に対応。対応ルーターと組み合わせることで、より安定した通信と超高速データ転送が可能になります。特にクラウドゲームやAI処理を多用するアプリにおいて、この差は如実に表れます。
「性能に妥協したくない」「マルチタスクもゲームもすべて快適にしたい」という人には、まさにベストな選択肢。それがZenfone 12 Ultraです。
Zenfone史上最強のカメラ性能を体感

Zenfone 12 Ultraの最大の魅力は、間違いなくその“カメラ性能”にあります。ASUS独自の6軸ジンバルや高性能なトリプルレンズ、そして進化したAI処理によって、スマホカメラの常識を覆すような映像体験が可能です。特に動画撮影と暗所撮影の性能は、これまでのZenfoneとは一線を画しています。
広角カメラ:6軸ジンバルで“ブレ知らず”の世界へ
メインの広角カメラは5,000万画素(SONY LYTIA 700センサー)を採用し、1/1.56インチの大型センサーとOIS+EISに加え、最新の6軸ジンバルモジュール(補正角度±5度)を搭載。
手持ちでも驚くほど滑らかに撮影でき、歩きながらの動画撮影でもジンバルなしでまるでスタビライザーを使ったようなクオリティを実現します。
ここからは実際の作例を紹介します。
草木を撮影しましたが、全体的に明るく綺麗に撮影できています。




最後にポートレートモードで紫陽花を撮影しました。
背景のボケ感は弱めですが、設定でボケ感を変更できます。
続いて、日中の作例も紹介します。


長時間露光モードを使用することにより、動きのある写真を撮影することもできます。


水の流れを普通に撮影すると左のようになりますが、長時間撮影により、右のように動きのある写真が撮れます。


こちらも右側は長時間露光のトラフィックライトモードで撮影しました。
昼間の撮影のため、違いがわかりにくいですが、夜の時間になれば車両のライトで奇跡ができ、非常に幻想的な写真が撮れます。
望遠+超広角:3倍光学〜30倍ズームまで網羅
- 望遠カメラ:3,200万画素
- 3倍光学ズーム、Hyper Clarityによる最大30倍ズーム
- OIS搭載で遠くの被写体もブレずに撮影可能
- 超広角カメラ:1,300万画素
- 120度の広角撮影が可能、歪み補正も対応
風景・建築・ポートレート・望遠まで、1台で完結する撮影性能を備えており、旅行やイベント撮影にも非常に頼りになります。
実際に超広角から30倍まで撮影してみました。






最大の30倍でも東京タワーをある程度、ディテールを残した状態で撮影できました。
望遠性能はそこまで期待していませんでしたが、日常生活では困らないレベルの仕上がりに安心しました。
インカメラ:3,200万画素の高性能+RGBW配列

Zenfone 12 Ultraは、前面カメラにも3,200万画素のRGBWセンサーを採用。
通常のRGGB配列よりも白色ピクセルを追加することで、光の取り込みが約67%向上し、ノイズも50%低減。
室内や夜間でも明るく自然な自撮りができ、ライブ配信やビデオ会議用途にも最適です。
映画のような動画撮影も簡単に
以下のような新機能も搭載され、スマホとは思えない映像表現が可能になりました。
- ポートレート動画(Ver 2.0):背景を自然にぼかし、犬や猫の顔も自動認識
- AI流し撮り:背景を流してスピード感のある写真をワンタップで
- AIトラッキング:被写体を自動で追尾し、リアルタイムでオートズーム
特にポートレート動画では、4K撮影や玉ボケエフェクトなどにも対応しており、SNS映えする映像が誰でも簡単に撮れます。
階段を降りながら通常モードで動画を撮影しましたが、手振れを抑えられています。
モードを切り替えることでさらに手振れをなくすこともできます。
Zenfone 12 Ultraのカメラは、「スマホで撮れる限界を超えてくる」体験をもたらします。
プロ仕様のカメラは不要。これ1台で、あなたの日常が作品になる――そんな気持ちにさせてくれる一台です。
AI機能が“便利すぎる”レベルに進化
Zenfone 12 Ultraは、単なるハードウェアスペックだけでなく、生成AIとオンデバイスAIの融合によって日常を革新するスマート体験を提供してくれます。
Google Pixelシリーズに慣れた人でも驚くほど、ASUS独自のAI機能は実用的で、しかもオフラインでも使えるものが多いのが特徴です。
進化したAI文字起こしと通話翻訳機能
「音声レコーダー」アプリで録音した内容を、リアルタイムで自動文字起こしできる機能が秀逸。最大3人までの話者識別に対応し、話者ごとのフィルタリング再生も可能。
さらに、電話中の会話をリアルタイムで翻訳してテキスト表示してくれる「AI通話翻訳」は、英語・中国語・スペイン語など多数の言語に対応しています(※ベータ版)。
写真編集もAIで直感的に
カメラアプリやギャラリーアプリと連携し、以下のような“ワンタップでできるAI編集機能”も多数搭載。
- AI消しゴム:不要な人物や物体をタップor囲むだけで削除
- AIピンボケ補正:ブレた写真を自動で鮮明化
- ドキュメントキャプチャー:影や歪みを自動補正し読みやすく変換
スマホに詳しくない人でも、「これくらいは直せるよね」と思わせてくれる、敷居の低い高機能さが魅力です。
情報整理にも役立つAI要約機能
ウェブ閲覧中やPDF閲覧時、共有メニューから「AI記事の要約」「AIドキュメント要約」を選ぶだけで、重要ポイントだけを抜き出して表示。長文を読む時間がないときの時短に最適です。
検索も爆速「かこって検索」
画面内の気になるものを指で丸く囲むだけで、その画像やテキストを即座に検索できる「かこって検索」は、一度使うと手放せない便利機能。
ジェスチャーやホームボタン長押しに割り当てることも可能で、直感的な操作性が際立っています。
Zenfone 12 UltraのAIは、「使ってみると離れられない」実用性の塊。
しかも多くの機能がオンデバイスAI=ネット接続不要で動作するため、セキュリティと速度の両面でも非常に優秀です。
ディスプレイ・オーディオ・バッテリーの仕上がりも高水準
Zenfone 12 Ultraは、SoCやカメラだけでなく、視覚・聴覚・使用時間といった“日常で感じる快適さ”も徹底的に磨き込まれています。特にディスプレイと音響は、同価格帯のスマホと比べても一歩抜きん出た完成度です。
視認性・滑らかさ・省電力を兼ね備えたAMOLEDディスプレイ

- サイズ:6.78インチ AMOLED
- 最大輝度:2,500nits(屋外でも超高輝度)
- リフレッシュレート:最大144Hz(LTPO 1〜120Hz可変対応)
- 保護ガラス:Corning Gorilla Glass Victus 2
- 色再現性:DCI-P3 107%、ΔE<1(非常に高精度)
このディスプレイは、動画視聴やSNS、ゲームなどあらゆるシーンで圧倒的な発色・精細感・なめらかさを提供。さらにLTPOによる可変リフレッシュレートのおかげで、表示内容に応じて自動で電力をセーブでき、バッテリーの持ちにも貢献しています。

ディスプレイ内には光学式の指紋認証用のセンサーも内蔵されています。生体認証は指紋認証のほかに、顔認証にも対応しています。
音響面も抜かりなし:3.5mmジャックと空間オーディオ対応

Zenfone 12 Ultraは、最近のハイエンド機種では珍しく3.5mmイヤホンジャックを搭載。
また、ASUS独自の「オーディオウィザード」により、シーンに合わせたサウンドチューニングが可能です。
- Dirac Virtuo™ による全イヤホン対応の空間オーディオ
- aptX Lossless対応でBluetoothでも高音質
- ゲームモードでは臨場感ある定位音が再現され、FPSにも有利
映像と音の没入感が非常に高く、動画視聴や音楽鑑賞、ゲーム用途まで妥協なしのサウンド体験が楽しめます。
端末の側面下部には、3.5mmイヤホンジャックのほかに、USB-CポートとSIMスロットがありますが、配置が特殊です。

端末の側面右側(画面側から見て)には、音量ボタンと電源ボタンがあり。ほかの二面にはなにもありません。
バッテリー性能:大容量&ワイヤレス充電対応

- バッテリー容量:5,500mAh
- 有線充電:最大65W(Quick Charge 5.0/PD対応)
- ワイヤレス充電:Qi規格対応(最大15W、EPP対応)
- バイパス充電:発熱を抑えてゲームや長時間使用時にも安心
実際の使用でも1日余裕で持つスタミナがあり、ゲームや動画のような重い用途でも安心感があります。
さらに、バイパス充電機能は、バッテリー寿命の延命にもつながるゲーミングPCライクな発想。Zenfoneらしい実用性の高さが光ります。
視覚、聴覚、使用感――どれを取っても「フラッグシップにふさわしい」と言える完成度。
Zenfone 12 Ultraは、使うほどにその“細部のこだわり”が効いてくる一台です。
どんな人におすすめか?
Pixel・Galaxy・iPhone・Xiaomi・Xperiaとの比較で見えたZenfone 12 Ultraの強みとは ・・・?
2025年のスマートフォン市場は、各社のフラッグシップ機が出揃い、選択肢は過去最大級。
そんな中でZenfone 12 Ultraは、「高性能×実用性×コスパ」の理想バランスを武器に、独自の存在感を放っています。
ここでは、以下の6機種と比較しながら、Zenfone 12 Ultraがどんなユーザーに刺さるのかを明確にしていきます。
フラッグシップ6機種の主な比較表(2025年版)
機種名 | SoC | 特徴 | 価格帯 (税込) | FeliCa 対応 |
---|---|---|---|---|
ASUS Zenfone 12 Ultra | Snapdragon 8 Elite | ジンバル手ブレ補正 AI機能 3.5mmジャック | ¥149,800〜 | ✅ |
Samsung Galaxy S25 Ultra | Snapdragon 8 Elite for Galaxy | Sペン 1インチセンサー ペリスコープ望遠 | ¥199,800〜 | ✅ |
Apple iPhone 16 Pro Max | A18 Pro | A18+Apple連携 ProMotion 高完成度 | ¥189,800〜 | ✅ |
Xiaomi Xiaomi 15 Ultra | Snapdragon 8 Elite | Leica監修カメラ 爆速充電 高スペック | ¥179,800〜 | ❌ |
Google Pixel 9 Pro XL | Google Tensor G4 | AI処理 純正Android 手軽な操作性 | ¥159,900〜 | ✅ |
SONY Xperia 1 VII | Snapdragon 8 Elite | 世界初望遠連続ズーム 音響&映像プロ向け | ¥204,600〜 | ✅ |
Zenfone 12 Ultraがとくにおすすめな人は?
スマホ1台で写真も動画もプロ品質を求めたい人
- Xperia 1 VIIは動画・音響特化だが、ジンバル手ブレ補正は非搭載。
- Galaxyは重く、価格も高め。
- Zenfone 12 Ultraは6軸ジンバル+RGBW自撮り+30倍ズームの総合力で「手軽さと質の両立」が魅力。
実用的なAI機能を毎日活用したい人
- PixelやiPhoneのAI機能はクラウド依存が多く、処理速度やセキュリティ面で弱みも。
- ZenfoneはオンデバイスAI中心で、文字起こし、通話翻訳、記事要約、消しゴム、流し撮りまでローカルで完結。
3.5mmイヤホンジャックやバッテリー保護機能が欲しい人
- Xperiaもジャック搭載だが、AIやジンバル性能はZenfoneに軍配。
- iPhone・Galaxy・Pixel・Xiaomiは非搭載。
- Zenfoneは空間オーディオ+バイパス充電対応で音にも電池にも優しい構成。
国内機能重視&コスパを求める人
- XiaomiはFeliCa非対応、iPhoneは高価格、Xperiaは“通好み”で万人向けではない。
- ZenfoneはFeliCa&マイナンバー対応+価格も抑えめで、国内利用にも最適。
逆にZenfoneを選ばない方がよい人は?
Apple製品との連携を重視する人→ iPhone 16 Pro Max
Apple WatchやMac、AirPodsなどとのシームレスな連携を活かしたいなら、iPhone一択です。
Sペンで手書き・イラスト・メモを多用する人→ Galaxy S25 Ultra
唯一スタイラスペン(Sペン)を本体に内蔵しており、紙に近い書き心地で手書き操作が可能です。
写真や動画の細かいマニュアル設定にこだわる“玄人”→ Xperia 1 VII
Pro Cameraアプリによるシャッタースピード・ISO・色空間設定など、まるで一眼レフのような操作が可能。
Leica色の写真を好み、カメラ画質に徹底的にこだわる人→ Xiaomi 15 Ultra
1インチセンサー+Leica監修の画作りで、AI補正よりも「写りの味」を重視する人にはZenfoneより響きます(ただしFeliCaは非対応)。
Google純正のAI体験を求める人→ Pixel 9 Pro XL
PixelはクラウドAIによるリアルタイム補正や消しゴムマジックなど、“Pixelならでは”の軽快な使い勝手が魅力です。
Zenfone 12 Ultraは非常にバランスが取れたスマートフォンですが、尖ったニーズがある人にとっては、他のフラッグシップのほうがマッチするケースもあることを覚えておくとよいでしょう。
総評:Zenfone 12 Ultraは「使い勝手最優先のハイエンド機」

高性能だけじゃない。AI、カメラ、音、価格、国内機能…
全部が「ちょうどいい」レベルでまとまっているのがZenfone 12 Ultraの最大の武器です。
どこかを切り捨てないと成立しなかったフラッグシップ市場において、本気で万人向けの“全部入りスマホ”を作ったASUSの意欲作。
どれを買うか迷っている人に、真っ先に勧めたい1台です。
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