スマホでゲームを楽しむ人が年々増えている中、ゲーミングスマホ市場も加熱しています。しかし、多くの人がぶつかるのが「何を基準に選べばいいのか分からない」という悩み。処理性能?冷却システム?それとも画面の滑らかさ?カタログスペックを見比べても、いまいちピンとこないという方も多いはずです。
中でも「ROG Phone(アールオージー フォン)」というシリーズはゲーマー向けスマホとしてはよく知られている存在ですが、最新モデルのROG Phone 9シリーズが登場した今、「一体どこが進化したのか?」「従来機種と何が違うのか?」「価格に見合う価値があるのか?」といった疑問を抱いている方も少なくないでしょう。特に、旧モデルのROG Phone 7や他社のゲーミングスマホと比較検討している人にとっては、情報が多すぎて逆に選びにくく感じてしまうこともあるかもしれません。
そこで本記事では、実際にROG Phone 9の実機を触った体験と、スペックの裏側にある“本当の進化ポイント”を分かりやすく紹介していきます。購入を検討している方はもちろん、ゲーミングスマホに興味があるすべての人に向けて、ROG Phone 9がなぜ注目されているのか、どんなユーザーにぴったりなのかを、徹底解説していきます。
それではまず、ROG Phone 9がどのようなスマートフォンなのか、その基本情報と進化したポイントから見ていきましょう。
【ROG Phone 9 レビュー】最新モデルの特徴と進化したポイントとは?

ROG Phoneシリーズは毎年進化を重ねていますが、ROG Phone 9は特に「ゲーミング性能の向上」と「日常使いの快適さの両立」を目指して開発された印象を受けます。前モデルからの進化点や新たに搭載された機能を整理すると、その本気度がはっきりと見えてきます。
まず、プロセッサには最新のSnapdragon 8 Eliteを採用。前世代よりもCPU・GPUの性能が大幅に向上しており、ゲームプレイ中のフレームレートや処理の滑らかさに顕著な違いが出ます。重めの3Dゲームでも安定して動作し、長時間の使用でも熱によるパフォーマンス低下が起きにくい点は大きな進化と言えるでしょう。
次に注目すべきは、ディスプレイ性能の進化です。6.78インチのサムスン製LTPO AMOLEDディスプレイは、最大185Hzという驚異的なリフレッシュレートに対応。さらに、状況に応じて1Hzまで下げる可変リフレッシュレート機能により、バッテリー効率も大幅に改善されています。画面の発色やHDR表現力も強化され、視認性・没入感ともに文句なしの仕上がりです。
さらに、冷却システムも新たに再設計され、内部構造と素材の改良によって冷却性能が20%以上向上。これにより、ゲームや動画編集など高負荷の作業を続けても、本体が熱を持ちにくくなりました。別売りのAeroActive Cooler X Proとの併用で、さらに冷却性能をブーストできます。
本体背面には、シリーズ初の「AniMe Vision」を搭載。85個のLEDを使って独自のアニメーションを表示できるこのギミックは、ROGらしい遊び心とカスタマイズ性を提供しており、ゲーミングスマホであることを視覚的にアピールしてくれます。
そして、日常使いにも嬉しい機能追加として、ついにeSIM対応、おサイフケータイ(FeliCa)対応、Qiワイヤレス充電対応という3点が揃いました。従来はゲーミング特化ゆえに割り切っていた部分が見直され、普段使いの利便性もしっかり強化された点は、かなり大きな進化です。
こうした複数の要素が組み合わさることで、ROG Phone 9は“ゲームに強いだけのスマホ”から“万能型のフラッグシップスマホ”へと脱皮したとも言えます。ゲーマーはもちろん、スペック重視のビジネスパーソンやコンテンツクリエイターにとっても魅力的な1台となっているのです。
【ROG Phone 9 レビュー】開封&外観チェックで分かるデザイン性の高さ

ゲーミングスマホといえば「ゴツい」「派手」といった印象を持つ方も多いかもしれません。しかし、【ROG Phone 9 レビュー】として注目したいのは、そのデザインが単なる見た目だけでなく、機能美として成立しているという点です。今回のROG Phone 9は、開封時からその“違い”が伝わってきます。

まず、パッケージはROGシリーズらしい近未来的なデザインで、黒を基調としたシックな装い。側面にはROGロゴが浮かび上がり、ゲーマー心をくすぐる雰囲気に包まれています。箱を開けると、本体がしっかりと固定されており、付属品として65Wの急速充電器、専用のUSB-Cケーブル、Aero Case(保護ケース)、説明書類などが同梱されています。

本体を手に取ると、第一印象は「想像以上に高級感がある」ということ。背面は滑らかなガラスパネル仕上げで、手触りも上質。「AniMe Vision」は、85個のミニLEDを内蔵し、ROGロゴやオリジナルアニメーションを表示可能。通知や充電時にアニメーションを表示できるだけでなく、自分好みにカスタマイズできる点が、所有感を大きく高めてくれます。


カラーは「ファントムブラック」と「ストームホワイト」の2色展開で、どちらも落ち着きのある色合い。派手すぎず、それでいて“ROGらしさ”をしっかり表現できている点が好印象です。光の角度によって微妙に色味が変化する背面デザインは、写真より実物でこそ本領を発揮します。

サイドフレームはアルミニウム製で剛性が高く、手に持ったときの安心感も抜群。端末の厚みは約8.9mm、重さは約227gと数字上はやや重量感がありますが、これは冷却システムや大容量バッテリーなど、高性能の証でもあります。実際に使ってみると、縦長でグリップ性も良いため、片手でもしっかりホールドできます。


また、左右対称のデザインは、横持ちでのゲーム操作を意識したもの。USB-Cポートが本体底面と側面に2つあることで、充電しながら横持ちしてもケーブルが邪魔にならない工夫が施されています。これは長時間プレイを想定しているROGならではの設計思想といえるでしょう。


スピーカーグリルの位置やAirTrigger(超音波ショルダーボタン)の配置にも配慮が行き届いており、見た目と使いやすさの両立という点で非常に完成度の高いデザインに仕上がっています。
ROG Phone 9は、ただ「映える」スマホではありません。外観のすべてが“理由のある形”で構成されており、見た目の美しさと操作性、放熱効率までもが一体化したゲーミングデザインなのです。

左からROG Phone 9、Galaxy S25 Ultra、Pixel 9 Pro XL、Xiaomi 14 Ultra、iPhone 16 Pro Maxです。
ライバル機とデザインを比較してみると、ROG Phone 9は圧倒的な存在感があります。
【ROG Phone 9 レビュー】ディスプレイ性能を徹底検証!LTPO AMOLEDの実力は?

ROG Phone 9の大きな魅力の一つが、6.78インチのサムスン製LTPO AMOLEDディスプレイです。数値だけを見れば「最大185Hz対応」という圧倒的なスペックが目を引きますが、実際に使用してみるとその実力は数字以上の価値を感じさせてくれます。
まず第一に、色彩表現の豊かさと視認性の高さが秀逸。FHD+(2400×1080)の解像度ながら、発色は非常に鮮やかで、コントラストも深く、HDR表示のコンテンツが際立つ美しさで表示されます。特に黒の沈み方が深く、暗所での映像視聴やゲームプレイでも没入感が高まります。
それだけでなく、ゲーミングスマホとして重要な「滑らかさ」や「応答性」の部分も非常に高水準に仕上がっています。以下では、ディスプレイ性能の中でも特に注目すべきポイントを掘り下げていきましょう。
可変リフレッシュレートと電池持ちへの影響
ROG Phone 9のディスプレイは、1Hz〜165Hz(ゲーム時は最大185Hz)までの可変リフレッシュレートに対応しています。これを可能にしているのがLTPO(Low-Temperature Polycrystalline Oxide)技術です。
この技術のメリットは、表示内容に応じてリフレッシュレートを自動調整することで、バッテリー消費を最小限に抑えながらも滑らかさを確保できるという点。たとえば静止画やテキスト閲覧時には1Hz〜30Hz程度に落とし、YouTubeやブラウジングでは60〜90Hz、そしてゲームでは165Hz〜185Hzまで引き上げるなど、シーンに応じて最適化されます。
その結果、従来の固定リフレッシュレートパネルと比較して、同じ使用条件でも体感で1~2割程度バッテリーの持ちが良くなっている印象があります。ROG Phone 9は5,500mAhという大容量バッテリーを搭載していますが、このディスプレイ技術によって、さらなる電力効率の向上が実現されているのです。
また、ユーザー自身でリフレッシュレートを固定したり、アプリごとに設定できる点も大きな魅力。用途やプレイスタイルに合わせて柔軟に調整できるのは、他機種にはない強みです。
ゲーム時の反応速度とタッチ性能の精度
ゲーミングスマホにおいて、ディスプレイの“滑らかさ”と同じくらい重要なのが「タッチの反応速度」です。ROG Phone 9では、最大720Hzのタッチサンプリングレートに対応しており、これは業界最高水準のスペックです。
この数値が意味するのは、1秒間に720回も指の動きを検知できるということ。言い換えれば、タップやスワイプ、フリックなどの操作を、遅延なくダイレクトに画面上へ反映してくれるということになります。
実際にFPS(First-Person Shooter)や格闘ゲームなど、タッチ精度が求められるタイトルをプレイすると、エイム(照準移動)や回避行動の精度が大きく向上していることに気づきます。細かな操作が即座に伝わることで、キャラクターの挙動に一切の違和感がありません。
さらに、タッチ応答の遅延を極限まで抑えるために、ROG独自のチューニングが施されていることも評価ポイント。これにより、画面上のラグや意図しない入力が発生しにくく、eスポーツレベルのプレイにも十分耐えうる操作性が実現されています。
また、AirTrigger(超音波ショルダーボタン)と組み合わせることで、物理ボタンのような操作感を演出できるため、タッチパネルの限界を超えた没入感あるプレイ体験が可能になります。
ROG Phone 9のディスプレイは、単なる高リフレッシュレートや美麗な表示を超えた、“プレイヤーの指に応えるパネル”と言えるでしょう。見た目の綺麗さと、勝利に直結する応答性能。この両立こそが、ROGの真骨頂です。
【ROG Phone 9 レビュー】冷却性能がスゴイ!長時間プレイの頼れる相棒
高性能なSoCを搭載しているスマートフォンほど、問題になるのが“発熱”。性能がいくら高くても、熱によって動作が制限されてしまえば、本来のパフォーマンスを発揮できません。そこで注目すべきが、ROG Phone 9の冷却システムの進化です。
ゲーミングスマホとして設計された本機は、ASUS独自の内部冷却技術をさらに強化。長時間プレイでもフレームレートが落ちにくく、快適な操作が続くことからも、その冷却性能の高さが実感できます。
内蔵冷却と連携する賢い熱処理
ROG Phone 9には、再設計された大型ベイパーチャンバーとグラファイトシートが搭載されており、前モデル(ROG Phone 8)と比較して最大約20%もの冷却効率向上が図られています。これは内部構造だけでなく、SoCの配置や基板のサーマルマネジメントまでも見直された結果であり、ハードとソフトが緻密に連携していることが分かります。
実際に、Snapdragon 8 Eliteを用いた高負荷ゲーム(『原神』『Asphalt 9』など)を30分以上プレイしても、手に伝わる熱はほんのり温かい程度。背面が熱くなりにくく、端末をしっかりとグリップしても不快さがないため、ゲームに集中しやすいのが魅力です。
また、ROG独自の「Xモード」では、冷却性能を最大化し、SoCの動作クロックやシステム設定をゲーム向けに最適化可能。これにより、パフォーマンスの最大化と熱のコントロールが両立されており、チップ性能を長時間引き出す環境が整っています。
AeroActive Cooler X Proの効果

外付けの冷却アクセサリーであるAeroActive Cooler X Proも別売りで用意されています。
AeroActive Cooler X Proは、背面に装着する専用の冷却ファンユニットで、冷却プレートとファンによるダブル構造により、本体の温度上昇をさらに抑制できるとされています。これにより、ROG Phone 9本体の熱をより素早く排出し、SoCの性能をより長時間安定して維持することが可能になるとされています。
さらに、X Proモデルにはスタンド機能や物理ボタン(AirTrigger)に対応したタッチパッドが追加されており、冷却だけでなくプレイスタイルそのものを拡張してくれるアクセサリーとなっています。
AeroActive Cooler X Pro装着時は、通常プレイ時よりも本体温度が3〜5℃程度低下し、サーマルスロットリング(熱による性能低下)がほとんど見られなかったとの報告もあり、冷却効果の高さは信頼できるものといえるでしょう。
もちろん、内蔵冷却システムだけでも十分なパフォーマンスを発揮しますが、夏場の使用や長時間の高負荷プレイを前提とするなら、AeroActive Cooler X Proの導入はより安心な選択肢になりそうです。
【ROG Phone 9 レビュー】Snapdragon 8 Elite搭載でどこまで動く?

ROG Phone 9は、ASUSとQualcommが共同でチューニングを施したSnapdragon 8 Eliteを搭載しています。これは、通常のSnapdragon 8 Gen 3をベースとしつつ、より高いクロック動作と持続的な安定性を実現した特別仕様のチップです。
ハードコアゲーマーや動画編集など高負荷処理を日常的に行うユーザーにとって、処理性能の高さだけでなく“持続力”がどれほど優れているかは重要なポイント。本章では、ベンチマークスコアと実際のゲームプレイ体験を通じて、Snapdragon 8 Eliteの真価に迫ります。
ベンチマークスコアと安定性



ROG Phone 9 | |
---|---|
AnTuTu | 2745758 |
Geekbench 6 CPU (シングル/マルチ) | 3126 9762 |
PCMark | 27073 |
まずは客観的な性能指標として、代表的な「AnTuTu Benchmark」でのスコアをチェックしてみましょう。ROG Phone 9は、約274万点前後のスコアを記録しており、これは現行スマートフォンの中でもトップクラスの数値です。先代のSnapdragon 8 Gen 3搭載機と比較しても、パフォーマンスが安定して高く、システム全体の最適化が効いている印象です。
また、Geekbench 6、PCMarkのスコアは表の通りです。
さらに特筆すべきは、パフォーマンスの持続性。30分以上の連続負荷テストでもスロットリング(性能低下)は最小限に抑えられており、発熱も適切に管理されています。内部の冷却構造に加え、別売りの外付けファン「AeroActive Cooler X Pro」との連携により、本体表面温度の上昇も非常に緩やかになります。これにより、長時間のゲームプレイや4K動画編集などでも、快適に動作を続けることができます。
アプリの起動、ゲームのロード、画面切り替え、マルチタスク処理など、日常的な操作のどの場面でもキビキビと反応し、ハイエンド機にふさわしい快適さが実現されています。
原神、PUBG MOBILE、Asphalt 9: Legends、Pokémon GOでの実機ゲームプレイ評価
次に、実際のゲームアプリでのプレイ体験から、Snapdragon 8 Eliteの「実力」を検証していきます。検証タイトルは、人気と処理負荷のバランスを考慮し、以下の4つを選びました。
原神(アクションRPG)


最も高負荷なタイトルの一つである『原神』では、グラフィック設定「最高」+30fpsモードでプレイ。フレームレートは平均30.5fpsを安定してキープし、激しい戦闘やスキル演出時にもフレーム落ちはほとんど感じられませんでした。プレイ中の温度上昇も抑えられており、長時間の連続プレイでもサーマルスロットリングは発生せず、快適な体験が継続されました。
PUBG MOBILE(FPS/バトルロイヤル)



設定「ウルトラHD+極限」でもヌルヌル動作し、特にエイムや視点移動のレスポンスの良さが際立ちます。AirTriggerを使用したエイム&射撃の割り当てによって、物理ボタンに近い操作性を実現でき、競技性の高いプレイが可能です。


また、AI Grabber機能の搭載により、ゲームの画面内も文字の認識や翻訳も可能です(後ほど詳しく紹介)。
Asphalt 9: Legends(レースゲーム)


高スピードでスクロールする背景、エフェクト処理の多い演出が特徴ですが、ROG Phone 9では終始滑らかかつカクつきなし。ディスプレイの185Hz駆動との相乗効果で、視覚的な迫力もひときわ増して感じられました。
有線イヤホンで臨場感溢れるサウンドの中でゲームできるのも最高ですね。
Pokémon GO(AR/位置情報ゲーム)


軽量なゲームではありますが、外出時の長時間プレイで発熱やバッテリー持ちが気になる方も多いはず。ROG Phone 9では本体がほんのり温かくなる程度で、発熱による不快感はほぼなし。明るい屋外でも視認性が高く、タッチ操作のレスポンスも非常に良好です。
【ROG Phone 9 レビュー】オーディオ体験と振動の没入感を徹底チェック

ゲーミングスマホにおいて「音」は、プレイ体験を左右する重要な要素です。敵の足音、銃声の方向、環境音のリアリティ――こうした情報が正確に耳に届くことで、没入感や勝率に直結します。
ROG Phoneシリーズは、これまで“音へのこだわり”でも定評がありましたが、ROG Phone 9でもフロントデュアルスピーカーを継承。加えて、ゲーミング特化の振動モーターも搭載し、触覚によるフィードバックの強化も図られています。
では、ROG Phone 9のオーディオ体験は、実際のところどうなのか?細かくチェックしていきましょう。
スピーカー音質と音の広がり
ROG Phone 9には、前面ステレオスピーカーが搭載されており、音の定位やバランスに優れています。横持ちでのゲームプレイ時には、左右のスピーカーから迫力あるサウンドがダイレクトに伝わり、画面を見るだけでなく「音を感じる」没入体験が可能です。
音質そのものも、スマートフォンの中では依然として高水準。中音域から高音域にかけての伸びが良く、環境音やボイスチャットの聞き取りやすさも申し分ありません。Dolby Atmos対応により、映画や音楽視聴でも臨場感のある音場が楽しめます。
ただし、ROG Phone 7(2023年モデル)と比較した場合、音の厚みや低音の迫力がやや抑えめになっている印象を受けました。とくに重低音を活かすようなFPSタイトルでは、少し物足りなさを感じるユーザーもいるかもしれません。
これはおそらく、内部設計の見直しや本体の薄型化・冷却設計とのバランスの結果と思われ、ROG Phone 9単体では優秀なスピーカー性能を備えているものの、「シリーズ最高の音」を期待すると若干のギャップが生じる可能性があります。
一方で、Bluetoothオーディオの対応コーデックは非常に充実しており、aptX Adaptive/Lossless、LDAC、AACに加えて、低遅延での接続も可能です。ハイエンドなワイヤレスイヤホンやヘッドホンを使えば、ROG Phone 9のオーディオ体験はさらに引き上げられます。
ハプティック振動でゲームが変わる
ROG Phone 9は、音だけでなく「触感」による没入感にもこだわっています。端末に搭載されたX軸リニアモーターは、ゲーム中のアクションやUI操作に合わせて細かく振動をフィードバック。振動の強弱・タイミングが非常に繊細で、ゲームジャンルによっては操作の一部として組み込まれるほどです。
例えば、FPSゲームで銃を撃ったときの「ズン」とした重みのある振動、レースゲームでのクラッシュ時のガツンという衝撃感、RPGでの魔法発動時の揺らぎなど、アニメーションと連動した没入型の振動表現が体感できます。
また、UI操作時や文字入力時にも、微細な触感が加えられており、指先の感覚を通じて操作している実感が得られるのもポイント。これはスマホゲームだけでなく、日常操作においても“触っていて気持ちいい”と思える要素のひとつです。
ROG Phone 9の振動表現は、単なるおまけではなく、ゲーミングエクスペリエンスを完成させる重要なピースとして、しっかりと機能しています。
このように、ROG Phone 9の音響と振動は、視覚以外の感覚を活用してプレイヤーをゲームの世界に引き込む設計がされています。特に振動の緻密さは他のスマートフォンを圧倒しており、スピーカー性能と組み合わせることで、コンパクトながら濃密なプレイ環境を実現しているといえるでしょう。
【ROG Phone 9 レビュー】ROG UIとゲーミング機能でプレイがもっと快適に!
ROG Phone 9は、ただ高性能なハードウェアを備えているだけでなく、ソフトウェア面でもゲーマーに寄り添った独自の強みがあります。その中核を担っているのが、ASUS独自のユーザーインターフェース「ROG UI」と、ゲームプレイを徹底的にサポートする多機能ツール群です。
このセクションでは、ROG Phoneシリーズならではのゲーミング体験を支える「Game Genie」「Armoury Crate」、そして新たに進化したAI支援機能「X Sense」「AI Grabber」の魅力に迫ります。
Game GenieとArmoury Crateの活用方法

ゲーム中の便利機能を詰め込んだ「Game Genie」は、ROG Phoneを語る上で欠かせない存在です。画面端からスワイプすることで呼び出せるこのオーバーレイツールは、プレイ中に様々な調整や情報表示をリアルタイムで行えるため、ゲームを中断することなく状況に応じた操作が可能です。
具体的には以下のような機能を提供しています。
- フレームレート(FPS)、CPU/GPU温度、使用率のリアルタイム表示
- 通知ブロック機能(ゲーム中の集中力を維持)
- マクロ操作やタップ位置の自動化(特定の繰り返し操作に有効)
- 録画・スクリーンショット・ライブ配信の即時実行
- AirTriggerやモーションコントロールのカスタマイズ設定
こうした機能により、プロ級の戦略的なプレイがスマホ一つで実現可能となります。特に対戦系ゲームでは、ワンテンポ先を行く操作環境が大きなアドバンテージになります。
一方、「Armoury Crate」は、ROG Phoneの総合設定ハブともいえる存在です。ホーム画面上からアクセスでき、インストール済みのゲームを一覧管理し、それぞれのタイトルごとに以下のような詳細設定が可能です。
- Xモードの有効/無効、レベル設定
- タッチ感度・スライド精度・ディスプレイカラー調整
- リフレッシュレートの個別指定(例:原神は165Hz、ポケモンGOは60Hzなど)
- CPU/GPU動作モードやバックグラウンドアプリ制御設定
このように、ゲームごとに完全なチューニングが可能な点が、ROG UI最大の強みです。他社のゲーミングスマホでは、ここまで細かく制御できるUIはほとんど存在せず、ROG Phoneシリーズが長年支持されてきた理由のひとつと言えるでしょう。
AI支援ツール「X Sense」「AI Grabber」の魅力

ROG Phone 9では、ゲーム体験をさらにスマートにしてくれるAIベースの補助機能も進化しています。その代表格が「X Sense 3.0」と「AI Grabber」です。
まず「X Sense」は、ゲーム中の重要イベント(例:アイテム獲得、ボス出現、HP低下など)を自動検知し、通知や記録を行ってくれる機能です。たとえば、バトル中にアイテムの取得通知が出たり、特定の状況で自動スクショを保存したりと、「気づきにくいタイミングをAIが“見逃さない」というのが大きなポイントです。
加えて、長時間プレイをサポートする「オート収集」「オートスキル」などの補助もあり、周回プレイやレベリングが必要なRPGでは大いに役立ちます。

一方「AI Grabber」は、ゲーム中に表示される英語テキストを自動で読み取り、日本語に翻訳・辞書表示するというユニークな機能。英語圏のゲームでの攻略情報や会話を読み取りやすくしてくれるため、洋ゲー好きには特に重宝します。OCR(文字認識)精度も高く、翻訳までの流れがスムーズなので、テンポを損なわずに理解できるのが嬉しいポイントです。
両機能とも、常に前面に出るわけではなく、必要なときだけ自然にサポートしてくれる設計がされており、過度にAIに頼るのではなく“ユーザーの快適さを一歩引いて支える”という設計思想が感じられます。
ROG Phone 9のROG UIとゲーミング支援機能は、単なる付加価値ではなく、ハードの性能を引き出すための土台と言えるほど実用性に優れています。これらのソフトウェア機能の完成度の高さもまた、ROG Phoneがゲーミングスマホの中で長年支持されてきた理由の一つです。
【ROG Phone 9 レビュー】カメラ性能も見逃せない!IMX890センサーの実力とは?

ゲーミングスマホにカメラ性能を期待する人は少ないかもしれませんが、近年のROG Phoneシリーズは着実にその完成度を高めてきています。ROG Phone 9では、ソニー製IMX890センサーを搭載したメインカメラを中心に、静止画・動画撮影ともに“ゲーム用だけじゃない”魅力を見せてくれました。
もちろん、カメラを最優先にするハイエンドスマホとは一線を画すものの、スマホとして日常の一コマをしっかり記録できるレベルには十分に達していると感じます。

AirTriggerを用いた撮影に対応しているため、カメラライクに使用することも可能ですが、誤作動することもあり、使用するかは悩みどころです。
静止画・動画撮影の実力チェック
メインカメラには、1/1.56インチサイズのIMX890センサーを採用。5000万画素の高解像度に加え、光学式手ブレ補正(OIS)+電子式手ブレ補正(EIS)を搭載しており、シャッターボタンを押すだけでブレの少ない安定した写真や動画が撮影できます。
日中の撮影では、細部までしっかり描写されており、色味はややナチュラル寄り。特に料理や風景の撮影では、見たままに近い色で記録されるため、加工せずそのままSNSに投稿できるクオリティです。
動画撮影では最大8K/24fpsに対応しており、より現実感のある映像を残すことが可能。手持ち撮影でも手ブレが非常に少なく、Vlog用途やちょっとした旅行動画にも対応できる実力を持っています。
一方で、筆者個人の感想としては、望遠撮影の性能にやや物足りなさを感じました。ROG Phone 9は望遠専用レンズを搭載していないため、2倍以上のズームではデジタル処理となり、やや解像感の低下が見られます。ズーム撮影を多用する方にとっては、この点が弱点と言えるかもしれません。
とはいえ、標準域での撮影は極めて快適かつ安定しており、特に設定を調整しなくてもシャッターを押すだけで“失敗しない写真”が撮れる点は非常に好印象です。撮影に慣れていない方や、記録用として使いたい方にも適したチューニングとなっています。
ROG Phone 9、Galaxy S25 Ultra、Pixel 9 Pro XL、Xiaomi 14 Ultra、iPhone 16 Pro Maxで撮り比べた作例も紹介します。

石川県金沢市発祥の洋食「ハントンライス」、ケチャップライスの上に卵とフライを乗せ、タルタルソースとケチャップをかけて食べる料理。
ROG Phone 9は安定して撮れていますが、フォーカスが若干怪しいかもしれません。

石川・金沢駅前にある行列必須の「魚がし食堂 Rinto店」で注文した海鮮丼、好みの分かれそうな仕上がりになっています。

オシャレすぎて観光スポットにもなっている「石川県立図書館」。
ROG Phone 9は全体的にHDRが不安定な印象があり、明暗の場所にやや苦戦するかもしれません。

石川県立図書館の写真が3枚続きます。等倍での撮影です。

こちらも等倍。

石川県立図書館のラストは超広角での撮影です。

アパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉のシャンデリア、5倍での撮影のためROG Phone 9の画像はライバル機よりやや解像度が欠けますが、光の輝きは一番良く表現できている印象です。

続いて、カップヌードルミュージアム 横浜(いずれも2倍で撮影)でパシャリ。日清食品創業者の安藤百福氏の銅像、ROG Phone 9はポートレートで撮影し忘れていたようです。ROG Phone 9の彩度はかなり安定しています。

過去の日清食品のラインナップ、どのモデルもキレイに撮影できています。

空から生えるカップヌードルのオブジェ、影の表現の仕方がモデルにより異なります。皆さんはどれがお好みですか?

パシフィコ横浜とビル群、曇空での撮影の為、ROG Phone 9はかなり正確に撮影できています。

ROG Phone 9の1倍は鳥居など、細かいところまで表現できています。

カラフルな窓ガラスを5倍で撮影、ROG Phone 9は思ったより解像度が高く、日中なら使えそうです。

古き良き店舗郡、2倍での撮影も使いやすいです。

国の重要文化財に指定されている石川・兼六園内の成巽閣(せいそんかく)、ROG Phone 9はオモムキのある仕上がりになっています。

複数の被写体があるシーン、ROG Phone 9は緑系は彩度高めに出る可能性があります。

ポートレート撮影も素晴らしく、玉ボケも見えます。

兼六園の雁行橋(かんこうばし)、1枚1枚の石が亀の甲羅のようと言われています。
ROG Phone 9の2倍撮影は、やや塗り絵のようなのっぺりとした仕上がりでしょうか。

霞ヶ池(かすみがいけ)の右端にそっと足をおろしたような美しい姿の徽軫灯籠(ことじとうろう)兼六園の人気撮影スポット。
ROG Phone 9はダイナミックレンジが広めで、明暗の差が強調されています。

視線を下げると鯉の大群が。ROG Phone 9は水中の石も鮮明に映し出しています。

長時間露光モードで撮影すれば、動きのある写真に仕上がります。

ROG Phone 9は、ライトトレイルモードの「滝」を使用しました。

続いて、主計町茶屋街(かずえまちちゃやがい)機種により彩度が違いますが、全体的にまとまって撮影できています。

ROG Phone 9、一つ前の写真では少し暗めに写っていましたが、こちらは明るめに。

水面に反射した建築物や山が美しいですね。

続いて、金沢・ひがし茶屋街です。人が少ないときは理想な写真が撮れますが・・・

観光地では人も多く、写真を撮影していると、私の前に堂々と入り写真を撮る、海外の方も多く見受けられます。
そんなときに役に立つのがライトトレイルモードの「人の往来」です。

このように、観光客の方のプライバシーを守りながら、動きのある画像が撮影できます。

ひがし茶屋街にある異様な空気感の電気屋さんも撮影しました。ROG Phone 9のダイナミックレンジが広く、非常に仕上がりの良い写真になっています。

続いて、アパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉の部屋の窓ガラス越しで撮影した横浜の風景です。ズーム性能も確かめてみました。ROG Phone 9の超広角カメラはセンサーサイズが小さいため、やや暗くなる傾向にあります。

1倍は機種により表現の仕方が異なりますが、どれも素晴らしいです。

2倍ズームです。どのモデルもキレイに撮影できています。

4倍ズームならROG Phone 9も十分使えそうです。

6倍ズーム、ROG Phone 9の解像度が厳しくなってきました。

8倍ズームです。ライバル機と比較すると、厳しい結果になっています。
ナイトモードやマクロ撮影も高水準
暗所撮影では、AIによる自動判別でナイトモードが自動起動。街灯やイルミネーションのある夜景では、白飛びを抑えながら自然な明るさに補正され、手ブレの少ない仕上がりが得られます。
細部の描写力も上々で、看板の文字や細かな光源も潰れずに記録されるなど、スマホのナイトモードとしてはかなり高水準といえるでしょう。撮影時間も1〜2秒程度と短く、三脚なしでも十分対応できます。
また、超広角カメラは視野角120度で、景色の広がりや室内の撮影に便利。マクロモードでは被写体との距離が4〜5cm程度まで寄れるため、花や小物などをしっかり写すことが可能です。
これらの補助カメラはメインほどの解像度や明るさはありませんが、サブカメラとしては実用十分なレベル。ゲーム中の記念撮影や周辺機器のレビュー用カット撮影にも重宝します。
超広角で撮影した横浜の夜景です。ROG Phone 9は画角が狭めですね。

こちらが等倍(1倍です。)

どのモデルもここまで暗くても全く問題ありませんね。ROG Phone 9の水面の感じがすごく好きです。

金沢駅にある「鼓門・もてなしドーム」です。各機種どれも優秀で優劣がつけがたい仕上がりです。
総合的に見ると、ROG Phone 9のカメラは“ゲーミングスマホとしては予想以上”の完成度を誇ります。望遠性能だけは割り切りが必要ですが、それを補って余りある「簡単・安定・高画質」のバランスは、多くのユーザーにとって魅力的なポイントです。
【ROG Phone 9 レビュー】バッテリー持ちと充電スピードを実測してみた


高性能なゲーミングスマホほど、バッテリー消費は激しくなりがち。しかしROG Phone 9は、その点でも一切の妥協がありません。
大容量バッテリー+高効率な電力制御+急速&ワイヤレス充電対応という、3拍子揃ったパワフルな電源設計が、長時間の使用をしっかりと支えてくれます。
ここでは実際に使ってみて分かったバッテリーの持ち時間や、充電スピードの体感値をベースに、ROG Phone 9の電源周りの使い勝手をレビューしていきます。
5500mAh大容量の安心感
ROG Phone 9は、前モデル同様5,500mAhの大容量バッテリーを搭載しています。ゲーミングスマホとしては標準〜やや大きめの容量で、これによって日常使いからゲームプレイまで、長時間の運用が可能です。
実際の使用感としては、以下のような印象を受けました。
- SNS・Webブラウジング中心のライトユースなら1.5日以上余裕で持続
- 『原神』を高設定で連続プレイしても、約5〜6時間の連続動作が可能
- 高リフレッシュレート(165Hz)常時ON設定でも、1日はしっかり保つ
これは、LTPOディスプレイの可変リフレッシュレートや、Snapdragon 8 Eliteの電力最適化設計が功を奏している結果です。
また、「Xモード」などのパフォーマンス設定を抑えた“省電力モード”に切り替えることで、さらに持ち時間を延ばすこともできます。
ゲーム中でもバッテリー残量を気にせずプレイできる安心感は、ハイエンドモデルならではの魅力です。
急速充電&ワイヤレス充電の実用性
大容量バッテリーがあるとはいえ、充電に時間がかかってしまうのでは意味がありません。
その点、ROG Phone 9は最大65Wの急速充電に対応しており、実測では以下のような結果を記録しました。
- 0% → 約30分で65%前後まで回復
- 0% → フル充電までは約50〜55分程度
付属のACアダプターとUSB-Cケーブルを使えば、朝の支度中や休憩時間中に一気に充電を済ませることが可能です。これは、急な外出や夜のゲームセッション前にとても助かるポイントです。
さらに、今回からQiワイヤレス充電にも対応。デスクやベッドサイドに充電パッドを置いておけば、スマートに充電が可能です。急速ワイヤレス(最大15W)ではありませんが、就寝中やオフィスでの置き充電には十分な実用性があります。
また、バイパス充電機能も健在です。これは、ゲームプレイ中に「バッテリーを経由せずに給電だけを行う」モードで、熱の発生を抑え、バッテリー劣化も防げるという優れもの。長時間の充電プレイを頻繁に行うユーザーには、非常にありがたい機能といえるでしょう。
【ROG Phone 9 レビュー】日常使いの便利機能は?eSIM・おサイフ・防水をチェック

「ゲーミングスマホは高性能だけど、普段使いには向かないのでは?」と考える人も少なくありません。
しかし、ROG Phone 9はそうしたイメージを大きく覆す存在です。
これまでのROGシリーズでは削られがちだったeSIM対応・おサイフケータイ(FeliCa)・防水防塵性能が、ついにROG Phone 9で揃いました。ゲーム性能と実用性を両立した、まさに“全部入り”のスマートフォンへと進化したのです。
ここでは、日常使いにおける安心・便利な機能を細かくチェックしていきます。
防水防塵と耐久性
ROG Phone 9は、IP65/68相当の防水・防塵性能に対応しています。これは、粉塵の侵入を防ぎつつ、一定の水没や水しぶきにも耐えられる設計となっており、ゲーミングスマホとしては非常に珍しい仕様です。
特に日常使用においては、以下のような場面でも安心して使えます。
- 雨の日にスマホを取り出しても濡れる心配が少ない
- キッチンや洗面所など水回りでの操作も安心
- 外出先でうっかり飲み物をこぼしてしまっても、内部への浸水リスクが低い
これまでのROGシリーズでは「高性能だがデリケート」という印象もありましたが、ROG Phone 9はゲーミングスマホでありながら、日常のタフな使用にも耐える耐久性を備えています。
また、前面のディスプレイはCorning Gorilla Glass Victus 2を採用し、耐傷性や落下耐性も強化。アルミフレームとの組み合わせにより、筐体の剛性も高く、長期使用にも安心感があります。
FeliCa・NFCの使用感と活用シーン

日本国内でスマートフォンを使う上で「FeliCa(おサイフケータイ)」の有無は重要なポイントのひとつ。ROG Phone 9では、ついにこのFeliCa機能に対応し、SuicaやiD、QUICPayなどの非接触決済が利用可能となりました。
実際にコンビニや駅の自動改札で使ってみたところ、反応は非常にスムーズで、他の国産スマホと遜色ありません。背面中央付近にFeliCaアンテナが配置されているため、決済端末にスマホをかざすだけで即座に認識され、ストレスなく決済が完了します。
また、ROG Phone 9はNFC(近距離無線通信)にも対応しているため、ペアリング対応のガジェットやビジネスカードの読み取りなど、ビジネス用途でも活用が可能。NFCタグを使った自動化やカスタムアクションの設定など、拡張的な使い方も楽しめます。
さらに、Google Payによるタッチ決済や、スマートキー・交通系ICカードの管理など、生活に密着した機能が一通りそろっているのは、数年前のROGシリーズにはなかった大きな魅力です。
総じて、ROG Phone 9は「ゲームはもちろん、日常生活でもストレスなく使える」スマートフォンに仕上がっています。
eSIM対応によって通信契約の柔軟性が高まり、FeliCaや防水性能によって普段使いでも“困らない、むしろ快適”な端末となったのは、ゲーマー以外の層にも十分訴求できるポイントです。
【ROG Phone 9 レビュー】前モデル・他社製品との比較で見える強みとは?
ROG Phone 9は、ASUSの最新ゲーミングスマートフォンとして、前モデルや他社製品と比較して多くの進化を遂げています。本稿では、ROG Phone 8や他のゲーミングスマホとの違い、さらにROG Phone 9 ProやROG Phone 9 Pro Editionとのスペック差について詳しく解説します。
ROG Phone 8・他ゲーミングスマホとどう違う?
ROG Phone 9は、前モデルのROG Phone 8や他社のゲーミングスマホと比較して、どのような点で優れているのでしょうか。以下の表に主要スペックをまとめました。
スペック項目 | ROG Phone 9 | ROG Phone 8 | REDMAGIC 10 Pro | nubia Z70 Ultra | POCO F7 Ultra |
---|---|---|---|---|---|
発売日 | 2024年11月20日 | 2024年1月18日 | 2024年11月18日 | 2024年11月 | 2025年3月27日 |
税込価格 | 159,800円 | ー | 122,800円~ | 122,800円~ | 99,980円~ |
プロセッサ | Snapdragon 8 Elite | Snapdragon 8 Gen 3 | Snapdragon 8 Elite | Snapdragon 8 Elite | Snapdragon 8 Elite |
RAM | 16GB / 24GB | 12GB / 16GB | 12GB / 16GB / 24GB | 12GB / 16GB / 24GB | 12GB / 16GB |
ストレージ | 512GB / 1TB | 256GB | 256GB / 512GB / 1TB | 256GB / 512GB / 1TB | 256GB / 512GB |
ディスプレイ | 6.78インチ AMOLED (2400×1080) | 6.78インチ AMOLED (2400×1080) | 6.85インチ AMOLED (2688×1216) | 6.85インチ OLED (2688×1216) | 6.67インチ AMOLED (3200×1440) |
リフレッシュレート | 最大185Hz | 最大165Hz | 144Hz | 144Hz | 120Hz |
バッテリー容量 | 5800mAh | 5500mAh | 7050mAh | 6150mAh | 5300mAh |
急速充電 | 65W有線 / 15W無線 | 65W有線 / 15W無線 | 100W有線 | 80W有線 | 120W有線 / 50W無線 |
防水防塵 | IP68 | 非対応 | 非対応 | IP68/69 | IP68 |
重量 | 227g | 225g | 229g | 212g | 212g |
FeliCa | ○ | ○ | ○ | × | × |
この表から、ROG Phone 9は以下の点で優れていることがわかります。
- 高リフレッシュレート:最大185Hzのリフレッシュレートに対応し、滑らかな映像表示が可能です。
- 防水防塵性能:IP68等級の防水防塵性能を備えており、日常使いでも安心です。
- 充実したストレージオプション:最大1TBのストレージを選択可能で、大容量のゲームやメディアファイルも余裕で保存できます。
一方で、REDMAGIC 10 Proやnubia Z70 Ultraは大容量バッテリーを搭載しており、長時間のゲームプレイに適しています。POCO F7 Ultraは高解像度ディスプレイと高速充電に対応しており、バランスの取れたスペックが特徴です。
ROG Phone 9 Pro・ROG Phone 9 Pro Editionとのスペック差まとめ

ROG Phone 9シリーズには、標準モデルの他にProやPro Editionが存在します。それぞれの主なスペック差を以下にまとめます。
スペック項目 | ROG Phone 9 | ROG Phone 9 Pro | ROG Phone 9 Pro Edition |
---|---|---|---|
プロセッサ | Snapdragon 8 Elite | Snapdragon 8 Elite | Snapdragon 8 Elite |
RAM | 16GB | 16GB / 24GB | 24GB |
ストレージ | 512GB | 512GB / 1TB | 1TB |
ディスプレイ | 6.78インチ AMOLED | 6.78インチ AMOLED | 6.78インチ AMOLED |
バッテリー容量 | 5800mAh | 5800mAh | 5800mAh |
特殊機能 | 標準 | AniMe Visionディスプレイ | AniMe Visionディスプレイ、特別デザイン |
Proモデルは、標準モデルに比べてRAMやストレージの選択肢が広がり、背面にカスタマイズ可能なAniMe Visionディスプレイを搭載しています。Pro Editionはさらに特別なデザインや最大構成のメモリ・ストレージを備えており、最上位モデルとして位置付けられています。
これらの比較から、ROG Phone 9は高性能なゲーミング体験を提供しつつ、日常使いにも適した機能を備えていることがわかります。自分の使用スタイルや求めるスペックに応じて、最適なモデルを選択することが重要です。
詳細のスペックは以下の表をご確認ください。

【ROG Phone 9 レビュー】どんな人におすすめ?向いているユーザー層を解説
ROG Phone 9は、ASUSが長年培ってきたゲーミングデバイスのノウハウを結集した、まさに“究極”のゲーミングスマホです。しかし、それだけに「自分にとって本当に必要なのか?」と悩む方もいるかもしれません。
このセクションでは、ROG Phone 9がどんなユーザーに最も適しているのか、そして逆にどんな方には過剰スペックかもしれないのかを、具体的に整理してみます。
本気でゲームをプレイする人にはベストな選択
まず第一に、ROG Phone 9はモバイルゲームを真剣にプレイしているユーザーにとって最適な一台です。
Snapdragon 8 Eliteによる安定した処理性能、185Hz駆動の高リフレッシュレートディスプレイ、超高タッチサンプリングレート、冷却性能、AirTriggerによる物理操作感など、あらゆる側面が“勝ちにこだわるプレイヤー”のために設計されています。
FPS、MOBA、MMORPG、音ゲー、レースゲームなど、どんなジャンルでも高水準な体験ができるので、eスポーツ志向のゲーマーやランキング上位を狙いたいプレイヤーには間違いなくおすすめです。
ゲームも仕事もこなす“ヘビーユーザー”にもぴったり
ROG Phone 9の強みはゲーミング性能だけにとどまりません。大容量バッテリーと急速充電、eSIM対応、FeliCa(おサイフケータイ)、ワイヤレス充電、防水防塵などの日常での実用性も非常に高いのが特長です。
そのため、仕事とプライベートを1台で済ませたい人や、動画編集・写真撮影・資料作成など重めの作業もスマホでこなしたいクリエイターやフリーランスにとっても、信頼できるデバイスになります。
また、1TBまでのストレージ、16〜24GBの大容量メモリといったスペックは、クラウドを使わずに端末内で完結させたいユーザーにも相性抜群です。
“ガジェット好き”や“カスタマイズ派”にも魅力的
ROG Phone 9には、背面LED「AniMe Vision」や高度なチューニングが可能なArmoury Crate、ゲーミングアクセサリーとの連携機能など、自分好みに設定を追い込む楽しさも満載です。
「人とは違うスマホを持ちたい」「操作感や通知表示までカスタマイズしたい」というこだわり派のガジェットユーザーにも大きな満足感を与えてくれるはずです。
逆におすすめしにくいユーザーとは?
一方で、ROG Phone 9は価格帯が15万円〜20万円と高めであり、性能を使い切れないライトユーザーにとってはやや過剰なスペックとなるかもしれません。
- 通話とSNSがメイン
- 軽いゲームしかしない
- 片手で軽快に操作したい
という方には、よりコンパクトで手頃なミッドレンジ機のほうが満足度は高いでしょう。
また、望遠カメラが非搭載であるため、スマホ写真に「ズーム」を多用するユーザーにも若干の物足りなさがあるかもしれません。
まとめ:ハイパフォーマンスを求める“妥協しない人”へ
ROG Phone 9は、あらゆるスペックが尖りきったプロ志向のスマートフォンです。ゲームを極めたい人、高速かつ安定したスマホを求める人、個性的なデバイスが好きな人にとっては、これ以上ない選択肢といえます。
“ゲーム専用”にとどまらない、日常でも戦力になるオールラウンダー。それがROG Phone 9の最大の魅力です。
【ROG Phone 9 レビュー】価格・販売情報まとめ|コスパと入手方法を整理
ROG Phone 9シリーズは、ゲーミングスマホとして最高峰の性能を誇りながらも、国内での入手しやすさにも配慮された製品です。ここでは、モデル別の価格、販売取り扱い先、そしてコストパフォーマンスについて詳しく解説します。
ROG Phone 9シリーズのモデル別価格
日本で発売されるROG Phone 9シリーズは、以下の3モデルに分かれており、価格は以下の通りです。
モデル | メモリ / ストレージ構成 | 価格(税込) |
---|---|---|
ROG Phone 9 | 16GB / 512GB | 159,800円 |
ROG Phone 9 Pro | 16GB / 512GB | 179,800円 |
ROG Phone 9 Pro Edition | 24GB / 1TB | 199,800円 |
標準モデルのROG Phone 9でもハイエンドな構成ですが、Pro系モデルは背面のAniMe Visionディスプレイや上位メモリ構成を搭載し、より強化されたゲーミング体験を求める方向けの仕様となっています。
購入先・販売チャネルまとめ
購入先・販売チャネルの情報をまとめました。モデルにより販路が異なるので、注意が必要です。
「ROG Phone 9」「ROG Phone 9 Pro Edition」の取り扱い先
これらのモデルは、ASUSの公式オンラインストアをはじめ、各大手販売パートナーで購入可能です。
取り扱い店舗一覧(五十音順・敬称略)
- ASUS公式オンラインストア
- ASUS Store 楽天市場店
- Amazon.co.jp
- エディオン
- コジマ
- Joshin
- ソフマップ
- ノジマ
- ひかりTVショッピング
- ビックカメラ
- ヤマダデンキ
- ヨドバシカメラ
「ROG Phone 9 Pro」の取り扱い先
このモデルのみ、販売チャネルが異なります。全国のauショップおよびオンラインにて取り扱われており、SIMフリースマートフォンとして「au +1 collection」扱いでの販売となります。
- KDDI / 沖縄セルラー直営店
- au Style
- au Online Shop
全国各地にあるキャリアショップでの購入が可能な点は、他のモデルにはない特徴です。
コストパフォーマンスをどう見るか?
一見すると、15万円~20万円の価格帯は「高い」と感じるかもしれません。しかし、ROG Phone 9シリーズはその価格に見合うだけの価値が確実に存在しています。
- Snapdragon 8 Elite搭載でトップクラスの処理性能
- 高速リフレッシュレート(最大185Hz)の美麗なAMOLEDディスプレイ
- 内蔵冷却機構による長時間安定動作
- FeliCa(おサイフケータイ)、eSIM、防水防塵、ワイヤレス充電といった日常使いの機能もフル搭載
- 最大1TBストレージ&24GBメモリの最上級モデルも選べる
これらを総合的に見ると、ハイエンドスマホの中でも“実用的な全部入り”としてはコストパフォーマンスに優れていると評価できます。
購入の際のチェックポイント
- ストレージ容量と予算のバランス:ゲームを多くインストールする方は512GB以上推奨。
- 販売店舗によって取り扱いモデルが異なるため、事前確認を。
- ポイント還元やキャンペーンのあるECサイトを活用すれば、実質的な負担は軽減可能。
ROG Phone 9シリーズは、ゲーミングスマホの頂点を目指しつつも、一般ユーザーにも使いやすさと選びやすさを提供してくれるバランスの取れた一台です。性能・機能・サポート体制のすべてを考慮すれば、価格以上の価値を感じられるでしょう。
【ROG Phone 9 レビュー】まとめ|価格以上の価値を求める人にふさわしい1台
ROG Phone 9は、ゲーミングスマートフォンとしての性能・設計の完成度はもちろん、日常使いの実用性や長期運用を見据えた設計にまでしっかり配慮された、まさに“全部入り”のフラッグシップモデルでした。
特に印象的だったのは、以下のようなポイントです。
- Snapdragon 8 Eliteによる安定かつハイパフォーマンスな動作
- 最大185HzのLTPO AMOLEDディスプレイで圧倒的な映像体験
- 高性能冷却システムによる長時間のゲームプレイでも安定した快適性
- ゲーマー向けの独自UI(Game Genie・Armoury Crate)とAI機能(X Senseなど)の充実
- FeliCa対応・防水防塵・eSIM・ワイヤレス充電といった日常機能もフル装備
- 1TBストレージ・24GBメモリといった最上級構成も選べる拡張性
一方で、望遠カメラ非搭載や、価格の高さなど“尖ったプロ機”ゆえの割り切りもあるにはあります。しかし、それらを補って余りある魅力がROG Phone 9には詰め込まれています。
価格帯こそ15万円〜20万円とプレミアムですが、それは単なる“ゲーミングスマホ”ではなく、「スマホに妥協したくない人」のための一台であることの証明でもあります。
- 本気でゲームを楽しみたい人
- 長時間スマホを使い倒すヘビーユーザー
- デザインや機能に“個性”を求めるガジェット好き
- ゲームも仕事もスマホ1台でこなしたい人
そんな人にこそ、ROG Phone 9は強くおすすめできるスマートフォンです。
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