auから販売されている「Galaxy Fold(SCV44)」は、「Infinity Flex Display」が初めて採用され、開けば約7.3インチの大画面、閉じても約4.6インチのスリムなスマートフォンで、日本でも発表直後から話題となっています。
Galaxy Foldは端末価格が約24.5万円とかなり高額なスマートフォンであるため、価格に見合うだけの価値があるのかをしっかり検証しました。
Galaxy Fold の特徴
- 片手で大画面ディスプレイを利用可能
- 側面の静電式指紋センサーの精度が良い
- 値段が高すぎる(Galaxy Tab S6が2.5台分)
- ディスプレイの裏にディスプレイがあるため、ゲームがしにくい
- ToFカメラなし
Galaxy Fold 項目別評価
Galaxy Fold スペック一覧表
Samsung au Galaxy Fold (SCV44) |
|
---|---|
OS | Android9 |
SoC | Snapdragon 855 |
サイズ | 【オープン時】 約W118×H161×D6.9 mm (最厚部 7.6mm) 【クローズ時】 約W63×H161×D15.7 mm (最厚部 17.1mm) |
重量 | 約276g |
ディスプレイ | 6.8インチ Quad HD+ Dynamic AMOLED Infinity-O Display (3040×1440) 498 ppi |
メモリ | 12GB |
ストレージ | 512GB |
micro SD | ○ |
バッテリー | 4,380mAh |
カメラ(背面) | 12MP望遠カメラ(f/2.4) 12MP広角カメラ(f/1.5-f/2.4) 16MP超広角カメラ(f/2.2,123度) 10MP(f/2.2,80度) |
カメラ(前面) | 10MPセルフィーカメラ(f/2.2,80度) 8MP RGB深度カメラ(f/1.9) |
カラー | Space Silver (スペースシルバー) |
生体認証 | 静電式指紋認証 (側面) 顔認証 |
Galaxy Fold 対応周波数
規格 | 周波数 | Band | Galaxy Fold (SCV44) |
docomo | KDDI(au) | SoftBank |
---|---|---|---|---|---|---|
FDD-LTE | 2.1GHz | 1 | ○ | ○ | ○ | ○ |
1.7GHz | 3 | ○ | ○ | ○ | ||
900MHz | 8 | ○ | ||||
1.5GHz | 11 | ○ | ○ | |||
800MHz | 18/26 | ○ | ○ | |||
800MHz | 19 | ○ | ||||
1.5GHz | 21 | ○ | ||||
700MHz | 28 | ○ | ○ | ○ | ||
TDD-LTE | 2.5GHz | 41 | ○ | |||
3.5GHz | 42 | ○ | ○ | ○ | ||
3G | 2.1GHz | Ⅰ | ○ | ○ | ○ | |
800MHz | Ⅵ/XIX | ○ | ||||
900MHz | Ⅷ | ○ |
Galaxy Fold 開封の儀・デザイン
Galaxy Foldの箱は何重にもなっており、お昼のお弁当を開ける時のようなワクワク感があります。
フォルダブルなGalaxyマークが見られます。初めて見たときは一瞬何が起きているのか理解できません。
箱を開けてもまだ箱があります。
ようやく内箱が出てきました。htcの外箱に似ておりお弁当箱のようです。
ようやくGalaxy Foldとご対面です。高額なスマートフォンのため、かなり頑丈に守られていたようです。
このフィルムもくせ者で、LGと同じように前面が黒くなっています。そのため、電源を付けてもディスプレイが見えません。
さらに、SIMスロット部分もフィルムで覆われているため、購入時の動作確認をするだけでもスタッフの方は神経を使っていました。
続いて付属品の確認です。AKGがチューニングしているSamsungの完全ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds」、変換アダプタ、ケーブルなどが入っています。
小さな箱の中には、Galaxy Fold専用ケースや説明書類が入っています。
続いて、スマートフォンのデザインを見てみましょう。
ディスプレイ面です。ディスプレイは光沢があるため、画像のように反射しやすくなっています。画面を真っ暗にすると、折り目はどうしても目立ってしまいます。
また、ディスプレイは通常のスマートフォンと比べると柔らかため、傷が付かないか不安になります。
背面の色(左側)はスペースシルバーです。実際は緑がかっており、シルバーグリーンの方がしっくりくるように感じます。
続いて側面をご紹介致します。
上面にはスピーカーが確認できます。スピーカーの穴は比較的大きく目立ちます。
同時に、真上から見るとメインカメラの出っ張りがよくわかります。
下面には、充電ポート(USB-C)とスピーカーがあります。
右面には静電式の指紋センサーがあります。指紋センサーの形状がXperiaシリーズに似ています。
左面にはSIMカードスロットがあります。
ヒンジ部分の刻印は「Samsung」ではなく、「Galaxy」と国内向けにカスタマイズされています。
折り畳んだ状態です。カチッという音とともに綺麗に閉じます。
他のフォルダブル(折り畳み式)スマートフォンとの比較も行いました。左から順にLG G8X ThinQ、Samsung Galaxy Fold、ZTE Mです。G8Xはガラスフィルムを貼った関係でケース閉じないため、セロハンテープで無理矢理閉じています(笑)
ご覧の通り、Galaxy Foldはヒンジ部分の方が厚みがあるため、閉じた状態では上下の二面が水平になりません。
機種名 | 厚さ |
---|---|
LG G8X ThinQ | 15.0mm |
Samsung Galaxy Fold | 15.7mm (最厚:17.1mm) |
ZTE M | 12.1mm |
3機種を比較してみると、やはりGalaxy Foldの厚さは気になりますが、Galaxy Foldは幅が狭いため、比較的持ちやすいように感じます。
Galaxy Fold レスポンス
Galaxy Foldは、SoCにSnapdragon 855、メモリ12GB、ストレージ512GBとなっています。
日本国内で販売されているAndroidスマートフォンの中では現時点では最高峰で、これ以上のスペックのスマートフォンはほとんどありません。
しかし、スペックに関しては、Samsungのフラッグシップモデル「Galaxy Note10+」とストレージ以外の仕様はほとんど変わりません。
カメラはGalaxy Note10+の方が優秀である可能性すらあります。
Galaxy FoldとGalaxy Note10+の仕様はそこまで大きくは変わりませんが、Galaxy Foldの販売価格はGalaxy Note10+の2倍以上するため、決して安くはありません。ディスプレイの価値をどう見るかがポイントとなるでしょう。
続いて、スマートフォンのスペック・性能を数値化してくれる「AnTuTuベンチマーク」を測定しました。
総合スコアは「448184」で、GPU(3D性能)は「174316」です。
私の実験ではディスプレイの明度を最大にするなど、端末に負荷がかかる状態で測定しているため、少し低めのスコアが出ています。
しかし、総合スコアで約45万点あるため、非常にハイスペックなスマートフォンであることがわかります。
他のスマートフォンのスコアはコチラをご覧下さい。
Galaxy Fold ディスプレイ
Galaxy Foldのディスプレイは開くと6.8インチとファブレット並のサイズです。
ディスプレイは折りたたみ可能なため、中央付近に折り目は出来ますが、実際に使用してみるとあまり気になりません。
それ以上に気になるのは、右上に2基のカメラ(10MPのセルフィーカメラと8MPのRGB深度カメラ)を搭載されていることです。ディスプレイがかなり狭くなり、筆者はストレスに感じました。せっかくの大画面も台無しです。
このように少し折り曲げた状態でもゲームをすることが可能です。ただし、背面にはカメラやディスプレイが搭載されているため、気を付けて使用する必要があります。
Galaxy Fold カメラ
Galaxy Foldのカメラは、リアカメラが3眼、フロントカメラが2眼+1眼と合わせて6つのカメラが搭載されています。
フロントカメラは「開いている時」と「閉じている時」のどちらでも自撮りや顔認証ができるように2箇所に搭載されています。
「閉じている時」は端末の右上にあるカバーカメラを使用します。1000万画素のセルフィーカメラで自撮りも綺麗に撮ることができます。
メインカメラは3つのカメラが搭載されており、上から1600万画素(超広角カメラ)+1200万画素(広角カメラ)+1200万画素(望遠カメラ)となっています。
インカメラは、ディスプレイの右上部分にセルフィーカメラとRGB深度カメラの2基が搭載されています。
Samsungのフラッグシップモデル「Galaxy Note10」(日本未発売)と同様のスペックとなっています。
日本でも発売されているGalaxy Note10の上位モデル「Galaxy Note10+」にはGalaxy Fold(GGalaxy Note10)の3眼+TOFカメラの4基が搭載されています。
TOFカメラの有無による画質の違いはこのあと比較しますが、Galaxy Foldが24万円を超える高価なスマートフォンということを考えるとTOFカメラも搭載して欲しかったところです。
今回は、カメラの性能を数値化して評価するDXOMARKで「117」点を獲得している同じくSamsungから発売されているGalaxy Note10+(SCV45)と比較してみたいと思います。
「Galaxy Fold」と「Galaxy Note10+」の2機種で比較を行うことにより、TOFカメラの有無による影響もわかると考えています。
Galaxy Fold | Galaxy Note10+ |
---|---|
アウトカメラ | |
クアッドカメラ ◆メインカメラ◆ ①超広角カメラ 16MP ②広角カメラ 12MP ③望遠カメラ 12MP ◆カバーカメラ◆ ①セルフィーカメラ 10MP |
クアッドカメラ
①超広角カメラ 16MP ②広角カメラ 12MP ③望遠カメラ 12MP ④深度測位カメラ TOF
|
インカメラ | |
デュアルカメラ ①セルフィーカメラ 10MP ②RGB深度カメラ 8MP |
シングルカメラ ①セルフィーカメラ 10MP |
上記の通り、カメラの数だけで比較するとGalaxy Foldが6基、Galaxy Note10+が5基となっています。さらに、Galaxy Foldは開いている時と閉じている時のどちらでも使えるようにセルフィーカメラが2カ所に搭載されています。
Galaxy Foldのディスプレイは6.8インチとスマートフォンの中でもかなり大きいため、メインカメラで写真を撮る際に不自由さを感じます。
シャッターボタンは他のGalaxy端末と同様に、自由に移動することは可能ですが、片手で持った状態での撮影が非常に困難です。片手で撮影を行うと、頻繁に写真が斜めったり、ブレたりします。
今回はGalaxy FoldとGalaxy Note10+の2機種で撮影した写真を比較しながらGalaxy Foldのカメラの実力を試してみました。
2機種ともアウトカメラ(メインカメラ)で撮影を行っています。
本郷薬師
Galaxy Fold
Galaxy Note10+
十一面観世音菩薩
Galaxy Fold
Galaxy Note10+
櫻木神社
Galaxy Fold
Galaxy Note10+
本郷三丁目駅前
Galaxy Fold
Galaxy Note10+
2機種で比較してきましたが、深度測位カメラ(TOFカメラ)の有無による影響は少なからずありそうです。
Galaxy Note10+で撮影した写真の方が全体的に明るく、暗い場所(櫻木神社の写真を参照)では差が見られます。
しかし、比較しないのであればそこまで気にするほどではありません。どちらも綺麗に撮れています。
Galaxy Fold生体認証
Galaxy Foldの生体認証は、静電式指紋認証(側面)と顔認証に対応しています。Galaxy S10シリーズ(Galaxy S10eは除く)やGalaxy Note10シリーズの指紋認証には、超音波式の指紋センサーがディスプレイ内に搭載されていますが、Galaxy Foldは側面に静電式指紋センサーが搭載されています。Galaxyの超音波式指紋認証は認証速度が遅い上、認証精度も悪いため非常に不満でした。Galaxy Foldの指紋センサーはディスプレイの特性上、指紋センサーが側面に移動した可能性はありますが、側面にある静電式指紋認証は認証速度が速く評価できます。
実際の認証速度は動画でご確認下さい。
顔認証は、Galaxy Foldを閉じた状態でも開いた状態でも使用できるようにインカメラが2カ所に搭載されています。
そのため、どのような状況でも顔認証を利用することができます。
Galaxy Fold音質
Galaxy Foldはドルビーのサラウンドオーディオ技術「Dolby Atomos(ドルビーアトモス)」に対応しているため、クリアで高音質のサウンドを楽しむことができます。
Galaxy FoldにはGalaxy Note10+などと同様にイヤホンジャックが搭載されていませんが、Galaxy Budsが付属されているため困ることはありません。
Galaxy Foldバッテリー持ち
筆者独自の実験結果から、電池持ちは普通であることがわかりました。
SoCにSnapdragon 855、メモリー12GBストレージ512GBを搭載しています。電池容量は4,380mAhとディスプレイサイズの割に多くはありませんが、電池持ちは想像以上に良いです。
Samsungが電池の持ち時間から逆算して電池容量を決めているかはわかりませんが、Galaxy Note10+とGalaxy Foldの推定利用可能時間(3時間20分)及び実験後の電池容量(89%)がピッタリ一致しました。筆者もこれにはビックリしました。
実験についてはコチラでご覧下さい
Galaxy Fold発熱のしにくさ
実験からSamsung Galaxy Foldの発熱は普通ということがわかりました。ハイエンド端末向けSoCを採用していますが、端末本体が大きいこともあり、放熱にはそこまで苦労しないのかもしれません。
実験についてはコチラでご覧下さい。
Galaxy Fold フィルム・ケース
Galaxy Foldは約24.5万円とスマートフォンの中でも高額の部類に入ります。そのため、あまり傷や汚れを付けたくないと考える方もいるでしょう。
筆者は付属のケースに不満であったこともあり、サードパーティー製のフィルム・ケースを使用しました。
今回は筆者が実際に購入して使用したフィルム・ケースについてご紹介致します。
結論から申し上げると、今回購入したフィルム・ケースともに当たりでした。
今後、購入される方の参考になればと思います。
購入したTPUフィルムは以下の商品です。
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こちらの商品は、前面2枚(予備1枚)、背面2枚(各1枚ずつ)の計4枚のTPUが入っています。
こちらのTPUフィルムはとても品質が良く、素人ながら上手に貼ることができました。
筆者は練習がてら背面を先に貼り、そのあと、本命の前面(ディスプレイ面)に挑戦しました。
貼る際のポイントは、貼り終わってから気泡を抜こうとせず、貼る際に端から完全に気泡を抜きながら貼ることです。
あとから気泡を抜こうとすると、薄くて柔らかいTPUフィルムは写真のように伸びてダメになってしまいます。
ゴミが入った場合の貼り直しはオススメしません。
ディスプレイ面は反省を踏まえて行ったため、比較的上手く貼ることができました。
また、Galaxy Foldのケースは付属品として同封されています。
付属のケースはカーボン素材で薄いのが特長です。また、ケースの左下したFoldのマークがついてため、オシャレです。
ケースの背面には両面テープがついており、端末と固定するようになっています。
しかし、薄さのあまりカメラの出っ張り部分が保護できません。
そのため、筆者はSpigenのケースを購入しました。
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こちらのケースは厚みはあるものの、カメラ部分までしっかり保護してくれます。
しかし、Spigenのケースは厚みがあるため、好みが別れます。
Galaxy Foldは買いなのか…!?
Galaxy Foldは満足度の高い端末ではあるものの、価格が約24.5万円と高額であることもあり、買いではありません。
20万円あればGalaxy Note10+(約12万)とGalaxy Tab S6 Wi-Fi版(約8万円)の2台を購入する方がオススメです。筆者はGalaxy Tab S6を愛用していますが、指紋センサー以外は非常に完成度の高い端末です。
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